セラミック治療

セレック治療のご案内

セレック治療

詰め物や被せ物を製作する作業は、患者さんの歯型を取り、石膏を注入し模型を製作し、技工士さんがハンドメイドで行うことが一般的です。そのため製作に必要な日数は7~10日程度となります。
当院では詰め物や被せ物の製作を院内で行うことが可能な「セレック」を導入しております。
「セレック」は歯科医師が歯を削った後、型どりからセラミックの製作まですべてコンピューター制御のもと行うことができます。これらCADCAMシステムで製作された詰め物や被せ物の適合精度が優れていますので、2次カリエスの発症リスクが少なくなります。 

セレック治療の流れ

歯の切削→型どり(光学印象)→設計→削りだし(加工機)となり、通常通り歯科医師が歯を切削した後にプライムスキャンを用いた型どり(光学印象)を行います。その後プライムスキャンで詰め物や被せ物の設計を行い、プライムミルという削りだし機(加工機)で詰め物や被せ物を製作します。すなわち、一連の工程はコンピューター制御のもと行われます。当院は新しいセレック機器を導入しております。

セレック治療

「銀歯を白くしたい」という主訴の患者さんです

セレック治療

セレック治療のメリット

  1. 詰め物や被せ物の適合精度がよい 光学印象で得られたデータをもとに設計・製作された詰め物や被せ物の適合精度は高いため、2次カリエス(新たな虫歯)の発症リスクが激減します。
  2. 自然な仕上がり(目立たない) セラミックは、保険治療の対象となるプラスチック(レジン)と違って、天然歯に近い透明感が得られることから、前歯に入れても自然でほとんど目立ちません。
  3. 経年劣化が少ない セラミックは劣化が起こりにくく、ほとんど変色が見られないのが特徴です。そのため、銀歯に比べて2次カリエスも少なくなります。
  4. プラークの付着が抑制できる セラミックは硬くて傷つきにくいため、銀歯よりはプラークの停滞を抑制できます。
  5. 身体に優しい セラミックは、銀歯のような金属アレルギーの不安がない上、歯肉への悪影響はありません。
  6. 可能であれば1日で治療が終了する 削った歯に対して詰め物や被せ物を装着する場合、可能な限り当日ですべての処置を終了することがベターです。仮の蓋や仮歯で終日過ごすことで歯質の汚染は多少なりともあることが理由です。
  7. 技工所で製作する詰め物や被せ物より安価で提供できる 院内で製作することで、技工所が製作する詰め物や被せ物より治療費は安くなります。

セレック治療のデメリット

  1. セラミック治療は保険適応ではないため、保険適応の銀歯より治療費が高くなる。
  2. セラミックの良さは多くありますが、「割れる」というキーワードで銀歯と比較した場合、セラックのほうがそのリスクは高くなります。 セラミックは高強度でありますが、ある一定の力のその部分だけに集中してまうと割れやすいという性質があります。最近はジルコニアなどより硬い材料が 注目されていますので、一度割れたことを経験した患者さんにはマウスピースの装着とジルコニアでの詰め物や被せ物の製作をおすすめしております。
  3. 技工所が製作する詰め物や被せ物より治療費は安くなりますが、セレック治療はセラミックブロックを削り出し、院内で研磨作業するだけとなります。私の経験から 奥歯であれば問題ないと感じますが、前歯など審美的要求が強い部位に関しては、技工所でハンドメイドにて製作いただいたほうが賢明かと思います。

プライムスキャンで光学印象することで様々な説明が可能となります。

セレック治療

プライムスキャンで光学印象を行い、画像をお見せすることで、お口の中の状態やかみ合わせ、歯列の発育状態など、患者さんにも「手に取るように理解しやすい環境」を作り出すことができます。

セレック治療の治療費について

セレックで製作するセラミックの詰め物や被せ物は健康保険の適応ではございません。

セラミックインレー(詰め物 セルトラ・エナミックなど) 49,500円
セラミックインレー(詰め物 e-max) 60,500円
セラミッククラウン(被せ物 セルトラ・エナミックなど) 85,800円
セラミッククラウン(被せ物 e-max) 93,500円
※税込み価格表記となります。

費用について詳細は料金ページをご確認ください。

セレック治療の治療費

歯の詰め物・被せ物について(審美治療)

インレーやクラウンってなに??

インレーやクラウンってなに??

インレーは比較的小さな虫歯(かみ合わせ面やコンタクト面に虫歯がある場合)に用いる修復法です。
クラウンは虫歯が大きく、歯の神経をとって土台を立てなければいけない場合や歯の神経は残せそうだが虫歯が大きい場合に全体的に被せる修復法です。

健康保険治療で用いられる金属製の詰め物や被せ物について

患者さんはよく銀歯とおっしゃいますが、保険診療では金銀パラジウム合金という貴金属系合金が多く使用されています。金銀パラジウム合金は金・銀・パラジウム・銅・インジウムなどから作られています。以下に利点と欠点を示します。

 

利点:安価である(健康保険内での治療が受けれる)
欠点:金属アレルギー・2次カリエス

歯科用金属アレルギー

歯科用金属アレルギーとは、唾液に溶けてイオン化した金属が、体内に取り込まれた後でタンパク質と結合することにより、アレルゲン(異物)とみなされて起こるアレルギー反応のことです。
銅・パラジウムのほか、まれに金や銀に対してアレルギー反応を起こした経験がある方は歯科医師までお知らせください。

2次カリエス

2次カリエスとは、虫歯治療を行った歯で2次的に起こる虫歯のことで、金属の詰め物や被せ物にした場合、2次カリエスが起こりやすくなります。
主な原因として銀歯の劣化が考えられます。金属が酸化することによって、徐々に歯と銀歯(詰め物や被せ物)の間にすき間ができて、虫歯を発症しやすい状態になる恐れがあります。

2次カリエス

銀歯以外の詰め物や被せ物には何があるの??

セラミック

セラミックとは、ポーセレンと呼ばれる歯科用陶材のことで、金属の土台に焼き付けるメタルボンドのほか、金属を一切使わないオールセラミックやラミネートベニアなどに用いられます。

ジルコニア

人工ダイヤとして知られるジルコニアは、生体親和性に優れているのが特徴で、強度が非常に高いため、噛む際に力がかかる奥歯やオールセラミックのフレームなどに使われます。

ガラスセラミック

ガラスセラミックは、e-max(イーマックス)と呼ばれる素材です。高強度にもかかわらず摩耗性が高いことから、対合歯にも優しいと言われています。

ガラスセラミック

審美障害を主訴に来院された患者さんで、ジルコニアセラミックを用いて見た目を改善した症例です。 上顎前歯6歯にて審美的回復を達成できました。尚、下顎は矯正治療を施しております。

ジルコニアセラミックを用いて見た目を改善した症例

コンポジットレジン充填

コンポジットレジン充填とは

虫歯を削ったあとに白いプラスチックを詰める方法です。 一般的に小さい虫歯に適応です。

コンポジットレジン充填の治療期間

通院1~2回。

コンポジットレジン充填のメリット

  • 色が歯の色と似ているので、見た目が良い。
  • 悪い所だけ削るので、他の治療法に比べて余計に歯を削らない。
  • 保険適応なので料金が安い。
  • 金属を使わないので、金属の溶解による歯や歯茎の変色や金属アレルギーが起こる可能性がない。
  • 治療期間が短い(多くの場合1日)。

コンポジットレジン充填のデメリット

  • 時間がたつと変色し、見た目が悪くなる(詰め直しは可能)。
  • 金属に比べて強度は弱いので、大きな虫歯にするやかみ合わせの強い人に行うと欠けてしまうことがある。
  • 歯科医の技術によって見た目や予後が大きく左右される。

メタルボンド

メタルボンド(陶材焼付鋳造冠)とは

  • メタルボンドは中身が金属で、外に見える部分にセラミック(陶器)を貼り付けたクラウン(被せ物)です。
  • 見た目が良く変色せず、強度も強いので非常によく使われます。

メタルボンドの治療期間

通常3回(形成→型どり→装着)
通院期間:1~2ヶ月程度(症状により変動あり)

メタルボンドのメリット

  • 陶器でできているので、変色せず見た目がよい。
  • 中身が金属なので割れにくく、ほとんどの部位に使用できる。

メタルボンドのデメリット

  • 保険適用外なので、値段が高い。
  • 色調はオールセラミックスに劣る。
  • 中身の金属の種類(銀やニッケルクロムなどの卑金属の含有量が高い場合)によっては金属が溶けて歯茎が変色したり、金属アレルギーを起こす可能性がある。
  • 将来的に歯茎が下がって、歯と歯茎の境目の金属が見えてくることがある。

ジルコニアクラウン

ジルコニアクラウンとは

ジルコニアクラウンはメタルボンドの内面の金属の代わりにジルコニアを使用したクラウン(被せ物)です。金属を使用しないのでメタルボンドより綺麗ですがオールセラミックスには劣ります。ただ、土台の金属(コア)の色を防ぐ「マスキング効果」がすぐれているため、ケースによってはオールセラミックスよりも審美的に仕上げることができます。強度的にもジルコニアは「白いメタル」と呼ばれる程強いので、奥歯やブリッジにも使用できます。

ジルコニアクラウンの治療期間

通常3回(形成→型どり→装着) *ただし、ジルコニアクラウン装着後に割れることを避けるために、仮歯で数ヶ月様子を見ることがあります。
通院期間:1~2ヶ月程度(症状により変動あり)

ジルコニアクラウンのメリット

  • 表面は陶器でできているので、変色せず見た目がよい。
  • 中身はジルコニアなので割れにくく、ほとんどの部位に使用できる。
  • 金属を使用しないので、金属の溶け出しによる歯や歯茎の変色、金属アレルギーの可能性がない。
  • マスキング効果にすぐれているため、土台が金属でも透けて見えない。

ジルコニアクラウンのデメリット

  • 色調はオールセラミッククラウンに劣る。
  • 天然の歯より硬いので、噛み合う歯を痛めてしまうことがある。
  • 保険適用外なので、値段が高い。

オールセラミッククラウン

オールセラミッククラウンとは

オールセラミックスクラウンとは、冠全体がセラミック(陶器)でできている被せ物(さし歯)です。見た目は被せ物の中で最もきれいですが、金属に比べて割れやすいです。

オールセラミックスの治療期間

通常3回(形成→型どり→装着)
*ただしオールセラミックス装着後、ジルコニアを覆っているセラミック(陶器)の部分が割れることを避けるために、仮歯で数ヶ月様子を見ることがあります。
通院期間:1~2ヶ月程度(症状により変動あり)

オールセラミッククラウンのメリット

被せ物の中で見た目が最も綺麗で、変色もない。
金属を使用しないので、金属の溶け出しによる歯や歯茎の変色、金属アレルギーの可能性がない。

オールセラミッククラウンのデメリット

  • 金属を使用した物より割れやすい。
  • 保険適用外なので、値段が高い。
  • 天然の歯より硬いので、噛み合う歯を痛めてしまうことがある。
  • 透明感があるので、金属の土台が入っている場合は使えないことがある。

ラミネートベニア

ラミネートベニアとは

ラミネートベニアとは、歯の表面を少し削って、そこに薄いセラミックのシェル(付けツメのようなもの)を貼り付ける治療法です(付けツメと違い1度つけたら外せません)。これにより、歯を希望の白さにしたり、大きさや形を調整することでちょっとした歯並びを改善することができます。

ラミネートベニアの治療期間

通常3回(形成→型どり→装着)
通院期間:1ヶ月程度(症状により変動あり)

ラミネートベニアのメリット

希望の色にすることができ、色の後戻りがないので、見た目は最も綺麗。
歯の大きさや形を調整することができる。

ラミネートベニアのデメリット

歯の形は変えれるが、歯の方向はほとんど変えられない。
ラミネートのシェルは薄く割れやすいので、強い力のかかる部位には使用できない(一般的に上の前歯のみ適応です)。
保険適用外なので、値段が高い

硬質レジン前装冠

硬質レジン前装冠とは

硬質レジン前装冠とは、中身は金属(金銀パラジウム合金など)で、外から見える部分だけレジン(プラスチック)が貼り付けられている被せ物(さし歯)です。
保険で前歯の被せ物を作る場合は、硬質レジン前装冠になります。

硬質レジン前装冠の治療期間

最短2回(型どり→装着)

硬質レジン前装冠のメリット

保険適応なので安価。
見える部分は白い(プラスチック)ので見た目が良い。
中身が金属なので割れにくく、ほとんどの部位に使用できる。

硬質レジン前装冠のデメリット

時間が経つとプラスチックの部分は変色するので見た目が悪くなる。
裏側から金属が見える。
時間が経つと金属が錆びて溶けだし、歯や歯茎の変色、金属アレルギーを引き起こすことがある。
保険が適応されるの前歯と犬歯のみで、奥歯には適応されない。

神経をとった後、補強の意味で土台を立て、その上からクラウンを被せて補綴していきます。その土台をコアといいます。

メタルコア

メタルコアとは

神経を抜いた歯に土台を入れる際、保険治療ではこのメタルコアが一般的に使用されます。

メタルコアの治療期間

最短2回(型どり→装着)

メタルコアのメリット

ほとんどの症例で使用可能
保険適応なので安価

メタルコアのデメリット

硬すぎるため、金属のくさび効果により歯が割れてしまうことがある(歯が割れてしまった場合は、抜歯になる可能性が高いです)。
オールセラミックスクラウンを被せる場合は、このメタルコアの金属の色が透けて見えてしまうので向かない。
歯茎から金属が透けて見えてしまうことがある。
時間が経つと金属が錆びて溶けだし、歯や歯茎の変色、金属アレルギーを引き起こすことがある。
長く太いメタルコアを入れていた場合には、再治療が困難(メタルコア除去時に歯が割れて、抜歯になってしまうこともあります)。

ファイバーコア

ファイバーコアとは

ファイバーコアとは、レジンコアの金属スクリューのかわりに、ファイバーのポストを入れることにより、従来のメタルコア・レジンコアより強度も増し、歯が割れる可能性も低くなるように開発された土台です。

ファイバーコアの治療期間

最短1回
通院期間:1~2週間程度(症状により変動あり)

ファイバーコアのメリット

しなる性質があるので、歯が割れる可能性が低くなる。
白いので、審美的に有利(特にオールセラミッククラウンを被せる場合)
再治療が必要になった際、除去が比較的容易。
金属を使用しないので、金属の溶け出しによる歯や歯茎の変色、金属アレルギーの可能性がない。

ファイバーコアのデメリット

保険適用外なので、値段が高い。また、保険外のコアを使用した場合、クラウン(被せ物)にも保険適応ではなくなります。

費用について詳細は料金ページをご確認ください。