歯を抜いた後は、傷を治そうとする炎症が起こります。個人差はありますが、大体術後48時間くらいが炎症のピークになるといわれておりまして、そのときが最も大きく腫れます。それ以降は徐々に改善していきます。鎮痛剤はそのころまで使うことになります。
術中、唇の端(口角)を引っ張りますので、術後、口角が痛くなる場合があります。
抜歯後、口が開きにくくなることがあり、これは周囲の筋肉へ炎症が広がることが原因と考えられます。炎症が軽快するにつれ、口も開くようになってきます。また、筋肉の隙間を通って喉の方に炎症が広がった場合、飲み込むときに抜歯した側の喉が痛むことがあります。これも炎症の軽快とともに減少します。さらに、抜歯時の侵襲が大きい場合など、数日たったときに顎の表面が青くなることがあります。これは内出血によるもので、次第に青紫から黄色に変化し1週間程度で消失します。
抜歯後、3日ぐらいから、痛みが強くなることがあります。これは、ドライソケットというものになってしまった可能性があります。
ドライソケットとは、本来、抜歯後の傷は血餅(血液がゼリー状になったもの)で塞がれるのですが、過剰な含嗽をしたり傷を気にして触ることにより、血餅が十分に形成されなかったり脱落してしまったり、また感染による炎症で血餅が溶解してしまうことで、骨が露出した状態です。骨が露出しているので、強い痛みを伴います。しかし、ドライソケットになっても、それに対する治療によって、1週間ぐらいで落ち着きます。
親知らずは下歯槽神経に近接していることがあるため、ごくまれに下唇~オトガイ部の知覚異常が生じることがあります。ほとんどは数ヶ月で改善します。