高校生のとき、左下奥から3番目の乳歯がグラグラしていたので抜歯してみる と、下の永久歯が先天的に無く、1本だけの入れ歯になりました。ところが、この入れ歯というのはたったの1本分だけなのに、煩わしいったら!
金具をかけている歯は痛いし、隙間に物が挟まって、いつも気にしなければならないようでした。ですので、いつのまにか装着することはなくなり、その部分は放置されたままでした。
2年後、今度は左下奥から2番目の歯が虫歯になり、抜かなくてはいけない状態になりました。
また抜くの??
もうこれ以上抜いたらまた入れ歯が大きくなる・・・。でも痛いのだから抜くしかありませんでした。
そのときの左下奥の状態は、一番奥の歯が1本と奥から4番目の歯が残っているだけでした。鏡を見ると、なんでこんな風になってしまったのだろうと悲しくなりました。当然、奥歯が2本無いのですから、今までのように何でも噛めるということは不可能になりました。
次は、医師に、ブリッジにするしかないと言われました。ということは、あの何の虫歯も無い健康な両サイドの2本の歯を削るということなのです。けれど仕方ありませんでした。不安を抱えながらも通院し、両サイドの歯はかみ合わせの部分しか削らない方法で、結局ブリッジを装着することになりました。入れ歯よりはまだ良かったのですが、歯の無いところの隙間にお肉や繊維質のものが挟まり、放っておけば臭くなるし、違和感はあるし、つまようじは手放せない状態でした。何よりも左下の奥はほとんどが銀歯になっているのが本当にイヤでした。
何年か経って、やはりブリッジもダメになりました。両サイドの歯に負担がかかりすぎていたようで、噛むことが全くできなくなったのです。そのとき、通っていたたけした歯科で初 めてインプラントを紹介されました。
初めは顎の骨の中に金属のボルトを埋め込むなんてとても恐いと思っていましたが、先生の丁寧な説明で、安全だということがわかりました。上に被せる物も白い物になると聞いてとても魅力的でした。若いうちにやった方が骨がしっかりしているということや、何よりも、前に歯があったかのように噛めるということなので、もう私にはインプラントしかないと思いました。ただ、金額の方が保険が効かないということだけが決断を鈍らせました。でも、いままでの苦労や、これから先、美味しいものをなんの気兼ねも無く食べられる、と思うとそれだけの価値はあると思いインプラントをすることに決めました。
手術は個室で行われ、診療台には布が敷いてあり、天井には悪い菌を吸ってキレイな空気を出す装置などもあり、清潔に気を配っている感じでした。歯科衛生士さんにもとてもやさしく接していただいて安心できました。骨に穴を開けるときは少し響いた感じがありましたが、麻酔をしていたので痛みは全くありませんでした。先生も何かやる度ごとに声をかけてくださったので、何が行われているかがわかって不安はありませんでした。
私の場合は2本埋入したので時間もそんなにかからず、2時間弱で終了しました。麻酔が切れてからは痛みが少し出ましたが、痛み止めで治まる程度でした。その後も痛みも出ず、骨とボルトがくっつくのを3ヶ月待って、いよいよ上物がかぶったときには飛び上がる程うれしかったです!まるで、歯の無かったところに歯が生えてきたようでした。
初めは柔らかい物から食べて慣らしていきましたが、すぐにお肉なんかも噛めるようになりました。いまではどんなものでも全く気にせずおいしくいただいています。もっと早くにインプラントを知っていれば、あんなに苦労しないで済んだのになと思う程です。