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口腔内にも腫瘍ができます。良性腫瘍であれば歯原性腫瘍(エナメル上皮腫、歯牙種、エプーリスなど)と非歯原性腫瘍(乳頭腫、線維腫、血管腫、脂肪腫、多形性腺腫など)があげられます。悪性腫瘍であれば癌、肉腫があげられます。 良性腫瘍口の中にできる良性腫瘍には顎の骨に特有の歯原性腫瘍というものと、その他の非歯原性腫瘍があります。 歯原性腫瘍
歯原性腫瘍にはエナメル上皮腫、歯牙腫、角化嚢胞性歯原性腫瘍などがあります。
非歯原性腫瘍口腔領域には歯原性腫瘍だけではなく、身体他部に発生する一般的な腫瘍である非歯原性腫瘍も多く発生します。非歯原性腫瘍は舌、口底部、歯肉、頬粘膜など比較的目に触れやすい場所にあることが多いです。また唾液腺には、唾液腺腫瘍が発生します。 一般的な症状としては無痛性に周囲組織を圧排あるいは外向性に緩慢に増大し、腫瘍が相当に大きくなるまでは機能障害もありません。腫瘍の種類として多いものは乳頭腫、線維腫です。次に多いものは血管腫です。その他、リンパ管腫、脂肪腫などがあります。治療としては外科的切除が基本です。血管腫では薬剤を用いた硬化療法を行うこともあります。
口腔癌
口の中の悪性腫瘍を口腔癌と呼んでいますが、口の中のあらゆる粘膜に発生します。例えば、舌にできる舌癌、歯肉にできる歯肉癌、舌と歯肉の間にできる口底癌、頬の内側にできる頬粘膜癌、口の中の上側にできる口蓋癌、唇にできる口唇癌などがあります。また耳下腺、顎下腺、舌下腺や小唾液腺など唾液をつくる組織にできる唾液腺癌なども挙げられます。施設によって差はありますが、舌癌が約半数を占めています。
口腔癌はどれくらいあるの?口腔癌は、全身の癌の数%と報告され、そう多くないため、一般にはまだ認識が薄いようです。しかし、人口動態統計での死亡率では、30年前にくらべ約4倍となっており、最近、口腔癌は増加傾向にあると考えられています。 40歳代より増加し始め、70歳代がピークです。男性が女性の約2倍ほどの発生率を示しており、女性では高齢者が多いようです。しかし、最近の集計では40代や50代も増加傾向にあります。 口腔癌の症状口腔癌の多くは自分で見えるところにできます。粘膜に拭っても消えない白い病変があったら、歯科受診が必要です。初期の癌では痛みを伴わない潰瘍やしこりのことが多く、なおりにくい口内炎にて受診される方が多くみられます。なお、癌が大きくなると痛みを伴うことが多くなります。また、大きな癌では痛みのある潰瘍を作り、自然に血が出ることがよくあります。通常の口内炎は2週間から1か月程度で治癒します。また、痛みを伴いますので、そのような症状以外の潰瘍は注意する必要があります。 上記のような症状のある方は専門の歯科・口腔外科の受診をお奨めします。 口腔癌の患者さんの多くは、歯科治療にて歯科医院にいった際に指摘され、大学病院等を受診される方が多い傾向がありますので、定期的な歯科受診 が早期発見に役立つものと考えられます。 口腔癌の診断診断は、CT・MRI・PETなどの検査を行い、病変組織の一部を採取し。顕微鏡検査で行います。口腔癌の80%以上は扁平上皮癌という組織の癌です。 口腔癌の治療口腔癌の治療は一般的には手術が中心になります。初期の癌であれば、手術のみで治療可能です。進行した癌では手術、放射線、抗癌剤の治療を組み合わせて行います。また、進行した癌で切除する範囲が大きい場合は、その後の機能(話す、食べるなど)を回復するために、再建手術(他の部位から、皮膚、筋肉、骨などを移植する手術)を行うこともあります。 また、口腔癌が大きくなると、首のリンパ節や肺に転移することもあります。その場合は首のリンパ節の手術(頸部郭清手術)を同時に行ないます。 |